あたしは足が動かなかった。 その場に立ち尽くしていた。 その時―――。 「…加奈……?」 手を振って、振り返った舞美ちゃんの顔が一瞬にして曇った。 振り返った人物が舞美ちゃんだと分かったあたしは走り出していた。 「…加奈!!」 舞美ちゃんが追いかけてくる。 だけど、あたしを呼ぶ声がすぐになくなった。 あたしは、竜と家が近いと言っていた未来ちゃんに電話した。