彼を忘れることができない罰だと。



「夏休み入ったら入院して、経過を見ましょう。出来るなら治療に入りたいわ」

わかりました、と頷き礼を言って診断室を出る。父が待っていた。結果は良くして貰っている看護師さんに聞いたみたいで意思のはっきりした瞳で私を見る。

「高校を中退しよう。治療に専念して徹底的にガン細胞を無くそう。お金は心配ない」

中、退…。先生に言われてから確かに考えていた。治療しながら通うなんて出来ないし、休むにも限界がある。それに、もう流に会わなくて良いかもしれない。治療にどれだけかかるなんてわからないけれどお母さんを見る限りはきっと長く辛い日々になるだろう。その頃にはきっと、忘れられる。



いや、忘れるのだ。