「えぇ痛かった！　こんなに痛いのもらったのは、初めて逢った時以来ですよ！！」

私は開き直ってオーナーを責める。

久遠がビックリしたのか、目を見開いてこちらを見ていたが気にしない。

「・・俺がいつ迷惑だって言った？　言ったのはコイツだろうが」

「でも！　確かに私は何もないただの人間です！　どうしてそんなに優しくしてくれるんですか？！」

涙がぼろぼろと、とめどなく溢れてくる。

コレはきっとオーナーのせい。

オーナーが私を殴ったから。

絶対そうなんだ！！！

「お前なぁ・・　俺は土地神とかの前に人間なんだ。それ以上でもそれ以下でもない、な」

「・・・意味が分かりません」

出てくる涙を手で雑にぬぐって睨む。

だが、オーナーには全く威嚇になっていないらしい。

軽くあしらわれて、オーナーはまた話し始めた。

「だっから！　・・なんだ俺から土地神っていうもんを取ったら、俺もただの人間なんだってことだ」

「・・・そう、なんですか？」

「そういうこと。　それに誰がお前を拾ってやったと思ってんだ？」

「川上さん・・・ですよ　感謝はちゃんとしてるつもりですが」

貴方がいてくれなければ今の私はいなかった。

そんなことは絶対、言ってあげないけど。