ガチャッ.


 「那衣、ほら薬」

 「…ありがとう」

 「起きれる?」

 「うん…」


 ずるずるとだるそうに
 起き上がった那衣は、

 渡した水と薬を
 ぼーっと 眺めた。


 「…?」


 なんだ?


 「那衣、」

 「ねぇ 有基」


 俺の言葉を遮って、
 下を向いたまま 少しためて
 那衣はつぶやいた。