ここにいるかぎり

 

 女はみんなそう。

 初対面で頭撫でただけで
 簡単に懐くし、
 不意打ちのキスで
 すぐ顔を真っ赤にする。


 そんで 彼氏と別れて
 俺に本気になって戻ってくる。



 那衣はそうじゃなかったから
 せっかく興味わいたのに、

 付き合い短すぎ。

 きっと 同じになる。



 横目で那衣を見ると、
 風に髪をなびかせながら
 眩しそうに目を細めて
 空を仰いでいた。


 「1週間って言っても、

 生まれてから
 ずっと一緒だったから
 付き合う…、みたいなかんじ
 全然ないんだけどね」


 「………、え ずっと!?」


 「うん。家 隣なの」


 「ウチとなり……、」


 「智依くん…?」