ここにいるかぎり

 

 「とにかく えと
 こう いうことは…、いっ?」


 壁に手をついて
 ジリジリ那衣を追い込む。


 もう少しで
 額がくっつきそうなくらい、
 俺達の距離は狭くなった。

 息遣いが かすかにきこえる。


 「あのさ、きっとあっちも
 こんなかんじだよ」

 「へ…?」

 「…だから、

 有基クンも那衣以外の女のコ
 たぶらかしたり
 平気でちゅーとかしてるよ」




 不安そうな顔とか
 させてみたい。

 そう思って
 ちょっとからかってみた。



 信じちゃう? 泣く?

 どんな顔
 するんだろう。