小学生ながらも
 少しだけ 期待していた。


 手をつなぐとか
 2人だけででかけるとか
 そんな 純粋なもの。



 でも
 那衣の「すき」の言葉に
 それはきっと
 含まれていない。



 「…」

 「有基 帰ろー」

 「…うん」





 那衣を
 すきになってから11年

 前途多難な片想いは
 今日も 記録をのばす。