「有基と那衣って、
 いーっつも
 一緒に帰ってるよな〜」

 「ラブラブ〜♪」


 …うるさい。

 同い年ながら、
 こういうからかい方は
 ガキだな、って 思った。


 「…違うよ」

 「うそだー、
 有基と那衣はラブラブだ〜」

 「…」


 どう否定しても
 ひやかし続ける同級生。

 無理に言い返すのをやめて、
 俺は 那衣の横で
 小さくため息を吐く。


 ちらっと横目で
 那衣の方を盗み見ると、
 ばっちり目が合って
 すぐそらした。