「やっぱり、こっちの方が似合います!
バッチグーです!」




……バッチグーって久々聞いたな…。



梨子は、天使の微笑。




「朔ちゃんはシュッとしていらっしゃいますから、ロングのカーデが似合います!」






梨子が選んだ服はジーンズに、柄の一切ないシンプルな白いTシャツと、軽くてさらりと羽織れる感じの黒いカーディガン。







センスのない俺には、何が似合って、何が似合わないのか、
いまいち分かんねぇけど………まぁ、これなら目立たないな。








「次は、私の服です!」


「あ、あぁ。」







梨子が、俺の腕を引いて歩きだす。









……逃亡生活にしては、かなり緩い………。





だけど、変に塞ぎ込んだりせずにいられるのは、
やっぱりこの子のおかげなんだろう。




俺は、心の内で呟いていた。