美しさだの純粋さだの言われて、恥ずかしさのあまり顔が赤くなるのが分かる。


《琴葉様は…?》


「私は…周りの人をいつでも気遣いながら王子として立派に振る舞う姿を見て、彼についていこう、と心に決めました」


これは、私の正直な気持ちだった。



息をつく暇もなく、次の質問が飛ぶ。

《琴葉様は三上財閥のご令嬢だということですが、それと今回のご結婚は何か関係があるのでしょうか?》


こんな予想外の質問にも奏斗は笑顔で冷静に答える。


「それは……政略結婚かどうか、ということでしょうか?それでしたら、全く関係ありません。
偶然出会い、僕たちは僕たちだけの意思で結婚を決めました」