奏斗は涙を流す私の横で、観衆に笑顔を向け続けている。


私だって、王子妃として本当は笑顔でいるべきなのに……


涙が自分の意志に関係なく溢れてくる。


強くなるって決めたのに、結局、全然強くなれてない……



こんな私に……

本当に王子妃が勤まるの……?


この世界で、私は生きていけるの?



気付くと、車は宮殿の周りを1周し終えていた。