「分かっているとは思うが……」 王様が私と奏斗を見て言う。 「この結婚が久仁王の遺言であったことは、伏せておくように。 記者会見で何を聞かれようと、2人の結婚は自分たちで決めたことだと言いなさい」 「「はい」」 そうなんだ…… 遺言のことを言っちゃいけないなんて、思ってなかった。 「2人とも、王室の威厳をしっかりと守り、良いパレードにできるよう努めなさい」 「はい、父上」 「はい、王様」