「琴葉、準備出来た? ちょっと話があるんだけど」 「少しだけ、待って。すぐに行くから」 「じゃあ、テラスで待ってる」 俺は、2つの指輪を握りしめてテラスへと向かった。 祝賀会用のタキシードを着ているためか、新郎になった気分だ。 別に一世一代のプロポーズをする訳でもないのにとても緊張する。 そんな自分が可笑しかった。