「琴葉ちゃん、私は君にお礼を言いたい」


お礼なんて…


「君は…奏斗に笑顔を取り戻してくれた。
君と結婚してから、奏斗は笑うようになったんだ。

笑顔以外の感情も、前よりずっと表に出すようになった。

君のお陰だ。
君を信じて、本当に良かった」



時々王様の話をうなずきながら聞いていた王妃様が口を開く。



「琴葉姫、私も感謝しています。

でも、突然、何もかも分からないまま家族と離れて王室に入ることは、寂しく辛かったでしょう?
そのような思いをさせてしまって、本当にごめんなさいね。

寂しい時は、いつでも私に甘えなさい」


「王妃様…」