PRINCESS story


「父が亡くなる一年前だから…今から4年前のことだ」



4年前…

それは、母が亡くなって、私が、絶望と悲しみでぼろぼろだった頃だ。



「父は公務の帰り、車である道を通りかかった。
そこで、1人の少女が泣いていた。
それが、君だ」



あの頃の私は、母の死を受け入れられずに毎日泣いていた。



「父は車を止めて、自分の付き人に尋ねさせた。
どうして泣いているのか、と。

そしたら、君はこう言ったそうだ。
『前に進むためです』と」



思い出した。


その日、私は事故があった現場に行って、母に別れを告げたんだ。


前に進むために……