「2人とも、部屋に戻りなさい」


「父上…本当にありがとうございました」


私と奏斗は深々と頭を下げた。



「琴葉、行こう」


奏斗が私に声を掛けてくれる。


その言葉にうなずいて立とうとするが、一気に張り詰めていた力が抜けてしまったのか、立てなかった。


ああ、まだ熱が下がって無いんだった…


さっきまでは忘れていたのに、急に体が重く感じ、言うことを聞いてくれない。



「姫、大丈夫ですか?」


私の様子を見て王妃様が心配そうに言う。


私は心配を掛けまいと立ち上がった。


頭が痛い…