「なぜ理由を言わないんだ!」 父の怒りに満ち溢れた声が部屋中に響き渡る。 「奏斗、ちゃんと話しなさい」 母は、なだめるように言う。 「先程から申し上げている通り、僕は王子に相応しくないのです」 「そんな理由で王子の座を降りることが許されると思ってるのか? 無責任にもほどがある」 いくら言われようと、俺の意志は変わらない。 琴葉を守れない俺に、王子をやる資格なんてないんだ。 だから、俺は琴葉を守る。 「父上、これ以上申し上げることはありません」