中野さんに付き添われ、うつむきながら彼女は俺の方に歩いてきた。 俺の前までくると、ゆっくりと彼女は顔をあげた。 間近で見る彼女は、美しさの中にまだあどけない可愛らしさを残している。 透き通るような白い肌と、何もかも見透かされてしまいそうな瞳が印象的だ。 「ようこそ、宮殿へ。王子の…奏斗だ」 「初めまして……琴葉と申します…」 彼女はそう言うと少しだけ微笑んだ。 これが、俺たち夫婦の、普通では有り得ない出会い…