こんなひどいことをした奴らを野放しにしておくのは許せなかった。



「いや、世間には伏せておくようにするから警察には言った方が良い」


「だめ……絶対、だめ」

「どうして…?」


「ビデオに撮られてるの…
殴られてるところを、ずっと。
もし警察に言ったら、その動画を公開するって言ってた…」 

「そんな……」



犯人のあまりに卑怯な手口に、怒りが込み上げてくる。



「もしそんなことになれば、国中が大変な騒ぎになる…
私のせいで、混乱を招きたくない」

「でも…」


「私にも、王室を守らせて…
大切な家族だから…」

「琴葉…」