朝、目覚めると隣のベットにはもう琴葉の姿がなかった。 キッチンから何か音が聞こえている。 「おはよう」 案の定、琴葉はキッチンでてきぱきと働いていた。 「おはよう。ご飯もうすぐ出来るから」 「作ってくれたの?」 「うん」 「ありがとう」 こんなに朝が幸せだと感じたのは、初めてだった。 もし王子でなかったから、俺もこんな風に温かさで溢れた朝を毎日迎えられたのだろうか。