美術館に到着した。 たくさんのカメラが私達の車を待ち構えているのが分かる。 さっきは大丈夫だと言ったけれど、カメラを前にするとどうしても行きたくない、と思ってしまう。 奏斗は、私より先に車を降りた。 カメラや周りの観衆に会釈をし、笑顔を向けている。 私も、車から降りないと… でも、なんだか怖かった。 カメラの前に立つ、勇気がなかった。 そんな私に、奏斗が車の中をのぞき込み、笑顔で言った。 「琴葉、行こう」