PRINCESS story


「ジーパン、履くこともあるんだね」


車の中で、黙り込んでしまった気まずい空気を変えたくて、私は奏斗に話し掛けた。


「うん、たまにね。
琴葉こそ、そんな格好するんだな」


「…見慣れない?」

「まだ、見慣れないかな。
でも、似合ってる」



さらっと言われたその言葉に、顔が赤くなるのが自分でも分かる。



「奏斗、お世辞なんて言うんだ」

「お世辞じゃないよ」


「えっ?」

「ったく…恥ずかしいから言わせるな、そんなこと」


奏斗は少し怒ったようにそう言った。


奏斗、本当にお世辞じゃないの?

それなら、嬉しいな……