PRINCESS story


「王子、今日の姫を見て、見とれているようでしたね」


車への移動中、いたずらっぽく翔子さんが耳元で言う。


「翔子さん、恥ずかしいこと言わないで下さい」


ツイード素材のショートパンツに、白のニット、細いピンクの線が入った黒のコート、そしてロングブーツ。

前はこんな格好が好きだったけど、今日はスカートにすれば良かった、と後悔している。


髪型も、やっぱりもっと可愛くしてもらえば良かった。


だって、私も奏斗の隣が似合う人になりたいと思ってしまったから。


それにね………


私、奏斗に、可愛いって、少しでいいからそう思われたいと思ってる。