「奏斗」 さっきまでよりも真剣な表情で兄さんが言った。 「守ってやれよ、琴葉ちゃんのこと。お前にしか守れない」 「兄さん……分かってる」 「一つ言っておくが」 「何?」 「もし、お前が琴葉ちゃんを傷付けたりしたら、次は容赦無く彼女を奪いに来る。覚悟しとけよ?」 「絶対、奪わせないさ」 「どうかな?」 俺は兄さんと笑いあった。 兄さん、ありがとう。 兄さんのお陰で、琴葉に対する自分の気持ちに気付けた。 「それじゃ、またな」