早く眠ろうとしたがなかなか寝付けず、俺は前に琴葉が好きだと言っていたテラスに来た。


そこには、俺より先に兄さんが居た。



「兄さん……」


あの日以来、気まずくて和也兄さんとは一言も話していなかった。



「横、座れよ」

俺は頷いた。


「琴葉ちゃん、大丈夫か?」

「そんなの、兄さんが自分で聞けば」


さっきの記事のこともあって、少しイライラする。



「もう、琴葉ちゃんとは2人では会わないことに決めたんだよ」

「えっ?」


「あの記事に載っていた写真、見ただろ?あれが、2人で会った最後の日だ」


初耳だった。