部屋に戻り、俺は琴葉に聞いた。


「明日の公務、本当に無理してない?」

「無理してないよ」

「そっか。ならいいんだけど」

「心配してくれて、ありがとう」


「琴葉…大丈夫?」


「大丈夫。
信じてくれる人がいるから…
あれくらい、どうってことない」


そう言って琴葉は俺に笑顔を向けた。


でも、その笑顔はどこか辛そうに見え、いつもの明るさは無かった。


「なんか、疲れちゃった。今日は早く寝ようかな」


「…そうだな。そのほうがいい。
おやすみ」

「おやすみ」


琴葉は部屋へと戻って行った。