「姫、私たちは、ここに書かれていることなど、信じてはいません。
だから、心配することはないですよ」


母さんが優しく琴葉に言う。


「…ありがとうございます」


「だが、一番心配なのは不仲説だ。
実際のところはどうなんだ?
上手くいっていないのか?」


「父上、お言葉ですが、僕たちを信用されていないのですか?」

「いや、そんなことはないが…」


「心配なさらないで下さい。そのことなら大丈夫ですから」

「ならば、その言葉を信用しよう」