最後のページに書かれていたのは俺と琴葉の不仲説だった。


「なんで、こんなこと書かれなきゃいけないんだ」


怒りが込み上げてきた。

琴葉のこと、何も知らないくせに…


一体、誰が?



「王子、姫、王様がお呼びです」

中野さんが心配そうな様子で言った。



「分かった。すぐ行く」

「私、どんな顔して王様と王妃様に会えばいいのか、分からない…」

「琴葉、大丈夫。父さんだって、母さんだって、あんな記事信じてないよ」


「でも、嘘でも、迷惑を掛けることに代わりはない」

「琴葉のせいじゃない………行こう」