「ごめん…私のせいだね…」 疲れ果てた声で、琴葉が言う。 「これは…」 『王子妃、深夜の密会』 琴葉に関する記事だった。 「琴葉、これ……本当?」 「違う、違うの」 琴葉がそんなことをするわけがないと分かっていながらも、つい不安になり強く聞いてしまう。 「じゃあ、この写真は?」 写真に写っているのは、間違いなく琴葉と若い男。 「それは、宮殿のテラス……写ってるのは和也さんよ……」 兄さん……?