「中野さん…彼女は今、どんな気持ちなのでしょうね」


「容易く想像出来ることではありません。
ただ、今まで王室とは無関係の世界で暮らされていたのですから、とても不安に思われていることと思います」



俺は生まれてからずっと、自由のない世界で生きてきた。

でも、彼女は今までは自由のある世界で生きていたのに、今日から突然自由を奪われるんだ。


もしかしたら、俺よりもずっと…

ずっと苦しいのかもしれないな。



「きっと辛いでしょうね、彼女も」


「おそらく…たくさんの不安を抱えて、宮入りされるのだと…」