「単刀直入に言おう」 今までに見たことないくらい真剣な表情で、兄さんはこうはっきり言った。 「琴葉ちゃんのことが、好きだ」 頭の中が真っ白になった。 兄さんが琴葉を好き? 琴葉は、俺の妻であると同時に、この国の王子妃だ。 それなのに琴葉を好きだなんて…… そんなこと、許される訳がない。 「兄さん、本気で言ってる…?」 「ああ、本気だよ」