「少し話したいことがあるんだけど、時間ある?」 学校から宮殿に戻ってくるとすぐ、突然、和也兄さんが俺の部屋に訪ねてきた。 「時間ならあるけど…話…って?」 「ここではちょっと話しずらいな。俺の部屋で話すのでもいい?」 「……分かった」 ここでは話しずらいって… どんな話だろうか? 和也兄さんの雰囲気がいつもとなんとなく少し違うのを、俺は感じていた。