新学期が始まって、奏斗と顔を合わせる時間が少なくなった。 顔を合わせるのは、食事の時くらい。 でも、その時、私たちの間に会話はほとんどない。 理由は、奏斗が私に何も話そうとしないから。 奏斗は、沙穂さんが亡くなってから、まるで別人のように、感情を表に出さなくなってしまった。 公務の時だけは笑顔。 でも、宮殿内では笑わないし、いつもぼんやりと遠くを眺めている。