「奏斗、琴葉さんと2人で話したいから、ちょっと外に行っててくれる?」


沙穂さんがそう言うと奏斗は病室を出た。



「琴葉さん……突然、会いたいなんて言ってごめんなさい」

「いえ…」


「どうしても、琴葉さんに頼みたいことがあったの」

「私に…ですか?」


「そう…私に残された時間はもうほとんどないから、私が居なくなる前にちゃんと伝えたかった。
聞いてくれるかな?」


沙穂さんの真剣な眼差しに、私は首を縦に振った。


「あなたに頼みたいのは、奏斗のこと」

「奏斗の…?」