きっと、俺が頼めば琴葉は笑顔で沙穂に会ってくれる。 だけど、沙穂に会ったら、きっと琴葉は苦しむことになる。 「……やっぱり無理かな? 一回でいいから奏斗の奥さんと話してみたかったんだけど」 黙り込む俺に沙穂が残念そうに言った。 その顔を見て、俺は決めた。 「いや、連れてくるよ」 琴葉、ごめん。 沙穂の願い、叶えてやりたいんだ。 琴葉が苦しむことを分かってても、今しか叶えてやれない沙穂の願いを、どうしても叶えてやりたいんだ。 琴葉なら、分かってくれるよな?