夏休みが始まって二週間が経った。 高3の私は勉強という名目の元、なんだかんだ宮殿に缶詰め状態だった。 とはいえ、元々推薦を狙って良い成績を維持してきたので、おそらく希望する大学への推薦を受けられる。 つまり、意外と勉強することが無く、かといって仕事があるわけでもないので、退屈だった。 せめて、奏斗ともっとたくさん話せたら、と思うけれど、奏斗は公務で忙しくて、ほとんど宮殿にいない。