夜、一人外のテラスで空を眺めていた。 ここは、私が宮殿の中で見つけた、唯一落ち着ける場所。 「王の座を奪う、か……」 まさか、こんなことを言われる日が来るなんて、思ってもみなかった。 王室の人々は皆、何も分からない私に優しくしてくれたから、安心していた。 でも、そうだよね。 王室内にだって私のことをよく思わない人がいるんだよね。 いつか…… 志保さんにちゃんと認めてもらえるように、頑張るしかない。