4月。 今年もまた、新しい季節がやってきた。 私の部屋の窓から、満開に咲き乱れた桜の花が綺麗に見える。 「お母さんは花よりも葉っぱの方が好きだって言ってたけど、私は花の方が好きだな…」 そんなことを、誰もいない部屋で1人、つぶやいてみる。 「琴葉、お客さんだってさ」 「はーい」 私の兄、蓮にぃこと三上 蓮介に声をかけられ、私は自分の部屋を出て一階に向かった。