「そろそろ限界でしょ?」
しばらくすると、そんなふうに涼しい顔で聞いてきたりして。
自分だって限界が近いくせに、なにポーカーフェイスなんか気取っているんだか。
ちょっとシャクに触る。
「・・・・う、ん」
でも、悔しいけど図星。
あたしの本能も孝明を求めて求め仕方がなくて、それ以外はもう、どうでもいい気分だった。
そうすると、孝明は膝の上からあたしを下ろして、ズボンのポケットを探りはじめる。
あたしが溺れていると思って服を身につけたままバスタブへ飛び込んだ孝明は、もう全身ずぶ濡れ。
唯一無事だったTシャツの胸から上の部分も、濡れた体であたしがしがみついていたから肌が透けて見えている。
こんなことをしておいて今さらだけど・・・・着替え、大丈夫かな。
少し冷静さが戻った頭で最初に思ったのは、そんなことだった。
「・・・・よし、あった!」
あたしがくだらないことを考えている間に、どうやら孝明はお目当てのものを探り当てたらしい。
「ちょっと手貸して」
「あ、はい」


