「ひゃっ!!」
あっという間に膝の上。
上半身が湯ぶねから出た格好で孝明に見上げられていた。
「ヒカリ、ずっと様子が変だったもんな。俺が別れようとしてるって勘違いして、なら自分から・・・・とか考えてたんだろ?」
「なっ!」
なな、なんでそれをっ!!
エスパー加藤か!?
「あ、図星だ。ついでに言うと、今、エスパー加藤か!? って思ったでしょ? まだまだ甘いねぇ。ヒカリの考えそうなことは全部分かってんだよ。バカめ!」
なんなのよ、コレ。
あたしの頭の中で思ってきたことと今の話が全く噛み合わない。
じゃあ、あれか?
空回りしていたの? あたし。
というか、やっぱり孝明はエスパー並みにあたしの心を見透かしていたのね・・・・なんかもう、いろいろショックで思考回路停止だ。
「俺仕様の体を手放すような惜しいこと、そうそうできると思う? ヒカリだって俺じゃなきゃ満足できないくせに、別れようなんてよく考えたもんだよ」
そう言って呆けるあたしの胸に顔をうずめる孝明は、もう野獣。


