◇◆あじさい◆◇

『よかったなぁ。ちょっと小振りだけど、立派な第二ボタンじゃん!』



とっつぁんが彼女に満面の笑みを見せると、彼女もまた笑みを返した。



『ありがとうございますっ!』



彼女達は2人に一礼して、校舎へと走り去った。
とてもとても嬉しそうに…。

自分の気持ちに気付かされて、間もないはずの私は、初めて『嫉妬』という感情を知った。
4、5メートル離れた所で繰り広げられた告白を、私はただ見ているだけで精一杯だった…。