◇◆あじさい◆◇

とっつぁんは、私の頭をクシャクシャに撫で家に帰るよう言い、送ってくれた。


だんだん家に近付く途中…


やっぱり足が止まってしまった。





『寄り道すっか?』




私達は遠回りをして歩き続けた。とっつぁんは黙って私の後を着いて来てくれた。




『ねぇ、とっつぁん。』



『あぁ?』



『とっつぁんて、
イイ奴だなぁ〜。』




『はっ!?お、お前っ。
勘違いすんなっ!俺っ、べべべべ別になっ…』


『大丈夫ぅ!!
心配しなくても私、仲間は仲間!!そこんとこはご心配なくぅ〜!!』



私は、とっつぁんの勘違いに笑いが止まらなかった。


だって、そんなに焦らなくても…って思ったら、可笑しくて可笑しくて…。



【でもね、色んな意味で大好きだよ…ありがとう…】


素直に言えない気持ちを胸に、少しだけ勇気が湧いた気がした。


【家に帰ろう…】