私は、彼に言われる通り、彼の車椅子を押しながら、案内される道を歩いた。




『ここだよ。』




【えっ…?】




『…ここって…?』










そこは、あのタイムカプセルを埋めた、近くの公園だった。






『見ろよ…。』




私は、彼の視線の先を辿った。





そこには、

色鮮やかな紫陽花が、
雲の切れ間から差し込む光の中揺れていた。





『…わぁ〜。きれ〜い!』




雨に濡れた紫陽花が、光によってキラキラと輝いて見えた。