◇◆あじさい◆◇

それを見て緊張が少し解けた瞬間だった…。


次に開いた扉から見えた
お母さん…。



『どうもすみませんでした!先生方、どうか…、どうか…すみましぇんでしたぁ…。』


『おっ、お母さん、落ち着いて下さいっ!』



床に擦れんばかりに頭を下げひざまずく母を、先生が慌てて抱え宥める姿…



皆が注目する中、

私の顔は熱を感じていた。


誰にも母を会わせた事はなかったが、極端に目を背けた私に誰もが分かったはずだ。


私の、樋口 風花の母親だと…。