ちょうど梅雨も明ける頃だった。


私は、彼の部屋で洗濯物を片付けていた。


ふと、思い出した事を聞いてみた。



『ねぇ…、前に、入院してる時…、アタシを連れてきたいトコがあるって言ってたの、…何処だったの?』


彼は、窓を覗きながら答えた。



『…雨、

上がったな。』



『…えぇ?雨…?』



『行きたいか?お前…。』



『…ぅん。』




私は、その場所が何処なのか分からないまま、そう答えた。