◇◆あじさい◆◇

私も皆に並んで席に着いた。その後は誰も口を開かなかったが、黙っていても通じ合っている気がして苦にならない沈黙だった…。



やがて、先生に連れられ、沙織のお母さんが入ってきた。お母さんは沙織の隣に座り、先生に聞こえぬ様、小声で沙織に話し掛けた。
『ヘラヘラしないで。仕事抜けて来たんだからっ!こうゆうのお兄ちゃんで最後にしてほしかったのにっ。』


沙織はペコッと頭を下げて私にウインクして見せた。