家の前に着くと、とっつぁんは、そっと私の手を離した。



『…とっつぁん。
アタシねっ、ホントはっ…』


『知ってるよ。』



私が言いかけた言葉の上に被せられた言葉。



『………。』



『俺の片思い歴をナメんなよ…?』



『…えぇ?』






その瞬間、冬の夜空はチラチラ雪を降らし出した。





『さっびぃなぁ!!

おいっ、もう家入れっ!

あぁっ!風邪引くなっコレっ。』




とっつぁんは、恥ずかしさからか、突然大声で空を見上げた。



『ホレッ!ホレホレッ!』


そう言って両手をパタパタさせると、私を玄関まで押しやった。




この日、

私達は、やっと互いの気持ちを確認できた。



裕介には、
心から感謝をしていた。