私は上履きのまま、そっと職員玄関から外に出た。



ポケットからケータイを取り出すと、何度もかけられた着信履歴の中に、とっつぁんの名前は無かった…。



ゆっくり家へと歩きながら、とっつぁんと交わした言葉や、出来事を思い出していた。




もう、ただ自然に溢れ出す涙を止める事はできなかった。