こんな時、時間が過ぎてゆくのはあっという間で、気付けば、クラスはざわめいていた。


『風花っ、行こっ!?』


お弁当を抱えた沙織が私を呼んだ。


『…あっ、うん。今行く。』


私は鞄から財布を出すと、沙織とパンを買いに走った。


混雑の中パンを買い終え、自販機に並ぶ和也と沙織を見つけた。


『風花〜?お茶でいい?』

『う〜ん!』


私達は三人で体育館へ向かった。


【ドキドキ…ドキドキ…】


『…なぁ、風花〜。』


和也が私に何かを言いかけた。


『…ん?どしたの?』



『…ん〜。』


『何っ!?』


和也が言いにくそうに私を見た。


『…ん…?』


沙織も首を傾げた。




『…とっつぁん、
クラスの女子に誘われて、…今日は、そっちでメシ食うって…。』



『えぇっ!?
何それっ…。』



和也の言葉に沙織が声を上げ驚いた。