『やぁ〜だぁ〜。
何を祈ればいいの?』


私は恥ずかしくて、自分の願いをクチにする事が出来なかった。


『そんなの、自分に聞いてよぉ!?心の中で、3回祈って。』


私は、沙織の描いた星をじっと見つめると、両手を重ね、そっと目を閉じた…。


【みんなが、幸せになれますように…】



心の中で3回祈り、目を開けると、沙織はニッコリ笑い、決して私の願いを聞こうとはしなかった。



『…ねぇ?
聞かないの?…何を、祈ったのか…?』



『…ん?
聞かないよ。聞いちゃったら叶わないからっ!』



沙織はそっとスケッチブックを閉じると、私の落書きを見て笑った。